奈須きのこ『DDD 2』読了。
悪魔憑きについては 前巻感想 参照。追加事項としては、カイエの主観で、悪魔憑きは理由無く破綻しているのでは無い。悪魔憑きとなった肝心の理由を棚上げし、別の強迫観念と差し替える。ある意味、『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』の契約者をとことん人間臭くした感じか。
『S.VS.S』。第1巻年表の2004年8月の項目。所在がカイエと知り合った直後の、はじめてのおつかい。SVSという賭け野球ゲームに現れる悪魔憑き・シンカー。三振するか逃走すると2段階に変化する魔球で殺される。オリガ記念病院から退院したばかりの所在と霧栖が事件に大きく関わり、事件の解決まで巻き込まれる。Sinker vs. Slugger。
シンカーが右投げのサイドスローである事は強調されていたので、瀬倉弓夜事件には引っ掛からなかった。コアラヶ丘高校と支倉第一高校については『formal hunt.』でトモリが語っていた事とリンク。
因みに、前巻程、ミスリーディングを狙った書き方では無い。情報量が多い分、素直に読める。
鋳車和観の家庭生活は、辛過ぎるなあ。こういう貧乏の描写を久しぶりに見た。
所在の高校時代の野球部後輩、霧栖弥一郎(キリスヤイチロウ)にクローズアップ。不良のご意見番で、暴力団勝田一家・七瀬組七代目の若衆の西野晴墨の弟分なんて事もやっているが、性根は真っ直ぐで悪い奴では無さそう。『formal hunt.』時に抱いたイメージと少し違った。
所在のピンチヒッタ(それ以前にチャラい男)として、日守秋星(ヒノモリシュウセイ)が格好良く登場。秋星は支倉出身だとか。この時で10年ぶりの故郷らしい。詳しくは次の章で。
分からなかった事。カイエにとって悪魔憑きの患部や新部が貴重な栄養源である事(キリスの肘と目は悪魔憑きのものでは無いが)。所在がツラヌイの家庭教師をやっていた時期があり、その頃のツラヌイ屋敷軟禁事件。マトさんの祖父とカイエ(一族)の関係。
能図妄想団地についての様々は、年表により『H-RED-B』辺りで語られる事になるんだろう。団地でのオトナ(初老)の誘惑、悪魔をとり憑かせてくれる悪魔の話はかなり大きい謎。どこにでもいるような名前って何だろう。年表からすれば山田なのだが。
P.149の所在の蘇生については、左腕とかカナタの謎と関係あると思われる。
ツラヌイがとことん脇役。
『/FOMALHAUT.』。これまでに幾度か名前が登場し、この巻のBOX表紙に存在し、前章で本格的に登場した日守秋星が主役。時期は『formal hunt.』直前。トモリとの対決、マキナ再登場、マトさんとの対面。殺人鬼、吸血鬼、不死身、改め、灼熱の揺り籠(フォウマルハウト)。
所在は秋星とすっかり友達になり、秋星が広域指名手配殺人犯である事は知っているが、(11月の地下鉄事件にて)殺人鬼をやっている理由を知ったらしいので、仲良くやっている様だ。通り名(仮)を考えたのも所在。80年代センス万歳。
秋星の不死身、不滅の理由は割と精神論。悪魔憑きとしての新部はトモリと同じ身体能力の向上。未来予知に近い危機感知から極限の仮定を常に意識し、初速にて死を回避する。そんな無茶なって感じ。誰もが口にした「死んだはず」の台詞はここに理由があった、という事で良いのだろうか。藤吾木更は空回りというか噛ませ犬的な哀れなキャラ。
過去の迦遼家。名字に動物を表す漢字が入っていないと雇わなかったとか。1986年の迦遼邸事件(後、取り壊し)っていうのがあるんだよな。
『/Vt.in day dream』。2005年2月14日。カナタがオリガ記念病院を出る話。但し、公式な退院では無く、病院内のほとんどの患者と所員を倒して、壊滅させて。次巻へ続く寸止め用。
カナタの新部は耐性。人体は死んでも脳は独立して機能しており、何度でも蘇る事が出来る。従ってブレインレス(脳なし、現在名前募集中)。ダメージを経験した際に、それに対する抗体を生成する。『刀語』の七実姉ちゃんの見稽古よりは手間が掛かるが、似た様な天才。
「レス」が付く悪魔憑きはオリガ記念病院に3人居る(居た)らしい。分かっているもう1人は、秋星が探しているかも知れないハートレス(心臓なし)。
巻末にはカナタ作成の院内最強決定戦成績表付き。ほとんど殺されたので、2004年以前の過去話や思い出話でしか登場機会は残っていない方々。A判定で新部が無かったらしい日守桜夏は日本刀を持っていたそうだ。秋星の親戚? トモリが生きている可能性は活かされるのだろうか。そういえば、秋星には深く思いを寄せた特定の女性が居るんだった。
まさか、奈須きのこの文章で、野球モノが読めるとは思わなかった。この時期、夏の甲子園やひぐちアサ『おおきく振りかぶって』がアニメ化されている事もあり、随分タイミングが良い。秋星のノリといい、オールドテイストが漂う巻だった。謎を広げて、中心点を明示した。
第3巻に続く。分かっている残り話は年表から『Malion in day dream』、『H-RED-B』、『S.Peeping Beauty』、『.D.D.D』。全4巻らしい。
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